第3章 傷心のS、ついに副業を決意!

ユーキャンで半年間、コツコツと勉強を重ねて勝ち取った合格。
社長に誉めてもらいたくて、少し興奮を抑えながら報告したことを覚えています。

 

「社長、聞いてください。僕、○○の資格に合格しました!」

 

僕が、喜びの報告をした瞬間、社長は一瞬嫌な顔をしたように見えました。
そして、目も合わせずに、次の言葉を僕に向かって言い放ったのです。

 

「免許証提出するまでは、資格手当支給できへんからな!」

 

「え、何?? 俺、怒られてるの!?」

 

状況がよく呑み込めなかったのですが、社長は試験に合格した事を快く思っていないのだけはわかりました…

 

社員のスキルアップよりも、資格手当を払うことによる経費がUPすることが残念でしかたないんでしょう。

合格発表が出てから、実際に、免許証が交付されるまで、2~3か月くらいのズレがあります。
資格手当が月3000円です。
合格発表時ではなく、免許証の交付時からの支給にすれば、6000円~9000円経費を削減できますからね。

 

あまりにもせこすぎて、怒りよりも悲しくなりました。
それと同時に、この会社にいても給料が上がらない事を確信しました。

 

その後、会社はさらに大きくなり、社員は増え、僕の役職もあがっていきました。
責任は増え、スキルアップも相当UPしたと自負していますが、給料はほとんど変わらず。

 

社長は会長となり新規事業に進出、あいかわらず仕事のできない弟が社長へと就任しました。
ここから会社の成長は陰りを見せ、業績は下り始めます。

 

給料は相変わらずでしたが、仕事はやりがいがありました。
あまりに新社長が頼りないので、なんとか僕の力で、少しでも業績を取り戻したい。
そういう気持ちがあり、ガムシャラに仕事をがんばりました。

 

それが、少しばかり目立ち過ぎたようです。

 

「自分の立場をわきまえず、勘違いしている奴がいる。」

 

全社員の前で、会長が冷たく言い放ちました。
直接名指しされることはありませんでしたが、誰もが僕の事を言っているとわかっていました。

 

会社のためを思っての行動だったのですが、理解してもらえず、とても辛かったです。

 

『出世も、昇給もない。』

 

会社の給料以外に収入源を確保する必要を感じ、副業を考え始めたのがこの頃です。
夜遅くまで仕事をしている以上、働ける場所は限られています。

 

居酒屋
パチンコ屋の清掃
夜間の交通誘導

 

いろいろ検討しましたが、どれもしっくりきません。
そんな時、ネットで見かけたのが、Amazonを使った転売ビジネスです。

 

日本のAmazonで安く仕入れた商品を、海外に住む外国人に、海外のAmazonを使って販売する

 

非常にシンプルなビジネスでした。

 

Amazonは日本以外にも、アメリカ、カナダ、イギリス、EUなど、様々な国で事業展開しています。
ここで、面白いのが、同じ商品でも国によって販売価格が全然ところです。

 

例えば、
日本のAmazonで8000円で買える炊飯器が、アメリカのAmazonでは、24000円で販売されてたりするわけです。

 

この地域格差を利用して、儲けます。
もし、アメリカのAmazonに23000円で出品できたら、そりゃ売れますよね?

 

輸送コストはかかりますが、8000円で仕入れた商品が、23000円で売れるんです。
これを繰り返せば、当然利益はあがります。

 

しかも、今はできないのかもしれませんが、当時は無在庫販売という手法が可能でした。

 

Amazonでは、商品画像があらかじめ用意されているため、商品を持っていなくいても販売できるんです。(写真を撮る必要がないのでバレない)
で、実際に売れてから、商品を仕入れることができたんです。

 

在庫を抱えることがないので、失敗するリスクが非常に少ない。
元手なしで、ビジネスを始めることが出来る。

 

「これはイケる」

 

直感でそう思いました。

 

英語が話せないのに外国人に物なんて売れるのか不安でしたが、詳しく調べてみると、グーグル翻訳を使えば、英語が話せなくてもどうにかなりそうでした。

 

ただ、そうはいっても細かい設定など、わからないことだらけだったので、詳しいサポートを得るために、月額1万円の会員になりました。

 

仕事が終わってから、家でコツコツと出品作業。
最初はまったく売れなくて、何度もくじけそうになりました。

 

100品くらい出品したところで、メールBOXに英語のメールが届いたんです!
記念すべき初めての商品が売れた瞬間です。
あの時の興奮は今でも忘れられません。

 

仕事を評価してもらうのは、上司ではありません。
お客様です。
そして、それが自分の収入に直結します。

 

思えば、この瞬間から、”会社員として会社から給料をもらうというマインド”から、”お金は自分で稼ぐ”というマインドに切り替わった気がします。

 

1つ商品が売れてからは、どんどん作業が楽しくなってきました。
出品作業にも慣れてきたし、利益幅が大きい商品をリサーチする技術もついてきました。

 

売上も順調に上がっていき、月の取引額が100万円を超えた頃です。
事件が起きてしまいました!

 

⇒第4章、あっけない転売の終焉、そして、転職へ

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